そのときオレはコンビニにいた。

お目当ては、そう、ハイライトだ。

しかもキャンペーン中らしい。

店員には悪いけど、一つ一つ買わしてもらうぜ。

そんな迷惑行為をしていると、この平和なコンビニには似つかわしくない外国人風な二人組がやってきた。

一人は背の小さめな男。

一人は大柄で太めな男。

どちらも筋肉質で、一目で異形とわかる。

例えるなら、ヤムーとスポポビッチだな。

二人組を眺めていると、どうやらコイツらは相当な悪らしい。

この世のあらんかぎりの悪さをしてやがる。

偽札を使う特有の動きも見受けられる。

ほらまた、アイスのケースを開けっ放しにしてる。

おいおい、ロックアイスは勝手に開けちゃいけないぜ。

見かねた小市民が注意をしたようだ。

太めの男、便宜上スポポビッチと呼ぶが、スポポビッチが怒りはじめた。

勇気ある小市民、その行いは高くつくぜ。

でも、それこそがまさに勇気だ。

オレはスポポビッチを後ろから蹴って、何食わぬ顔でいた。

広いコンビニだ、ばれないだろうと。

しかし、すぐにオレが蹴ったとわかったらしい。

スポポビッチは殴りかかってきた。

丸太のような腕から放たれたパンチをいとも容易く捕らえる、オレ。

『これがジャパニーズ、シェイクハンドだ』

礼儀知らずの外国人には教えてやろう。

表情を見ると、まだ怒り狂っている。

仕方ない。

掴んだ手首を文字通り捻りあげる。

ゴキッ。

「オウ、クレイジー」

店内に響き渡る音と悲鳴。

これにこりて、もう少し大人しくするもんだぜ。

この国にはオレがいる。